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全ての物流業者が恐怖するAmazon

アマゾンと言えば米国企業であるが、UPS、フェデックスという物流会社をご存じだろうか?UPSとは日本でいうヤマト運輸であり、米国の個人向け宅配90%を担っている。またフェデックスは日本でいう佐川急便であり、企業向け配送を中心に配達をしている。

この2業者を脅かす存在になっているのがAmazonというわけだ。

Amazon 「ダイヤモンド社」

成毛 眞さん著

筆者は上記の本を読み、日本での影響を考察した。

目次

Amazonの物流センター設置速度

米国でのAmazonの物流センターは1997年に1つしかなかった。ところが2008年には20のセンターを構え、2017年には140ものセンターとなっている。

基本的に配達地の100km圏内にセンターを置いているそうだ。

日本のヤマトと佐川の拠点数は?

2018年でヤマト運輸のセンター数は6,824。驚異的な数値である。これだけのセンター数があるからこそ日本のラストワンマイルのレベルが高く、きめ細やかなサービスに対応できているということであろう。実際同じ建物にセンターが2つ3つ入っているそうで、拠点としては3分の一位であるから2300前後といったところか。

佐川急便に関しては営業所の数が445。この数を見ても米国のアマゾンの拠点140の3倍近くある。

Amazonの日本戦略を考察

Amazonはその国の物流網が優秀で価格が見合えば柔軟にその物流業者を利用する。ヤマトや佐川、日本郵便を当初利用していた。

2013年に佐川がAmazon配送から撤退。

後にヤマトもAmazonの当日配送から撤退した。

当時はヤマト運輸の契約単価が約280円と記されている。

しかし2018年のヤマト運輸運賃改正により、値上げを要求。1個当たり400円以上で合意した。Amazonからすれば利益が大きく下がる。ヤマトからしても当時の280円では薄利多売で利益はほぼない状態での受託となり、従業員の負担軽減もかねて値上げに踏み切った。

そこでAmazonはかねてから試験的に稼働していたAmazonFlexを本格始動させた。軽貨物ドライバーに直接オファーを流し、荷物を運ばせる。筆者もアマゾンフレックスを経験したが、2019年9月現在のおおよその金額が1時間2000円で10個ほどの配達。単価200円ほどだ。

そしてAmazonはFlex以外にも、法人格のデリバリープロバイダーに荷物を移している。

スマホでアマゾン、軽貨物、地名と検索すれば近場のデリバリープロバイダがアマゾン宅配の軽貨物ドライバーを募集している。

Amazonは完全にヤマト切りを意識し、自己物流網と格安の業者に切り替えている。



今後のAmazonの展開は

AmazonFlexとデリバリープロバイダー、両方の効率がいい部分を使って首都圏から郊外へ徐々に進出していくであろう。これはアマゾンに限ったことではなく、楽天などのECサイトも自己物流網を稼働させている。ヤマト運輸のアマゾン比率はヤマトの荷量の15%ほどであるから、その分売り上げは下がることであろう。

そして日本の大手運送会社が単価を200円前後まで下げる可能性は低く、この動きが加速することは間違いないであろう。

軽貨物ドライバーの未来は?

大手運送会社の委託は減少化。すでにヤマト運輸はいたるところで委託やフランチャイズを減らしている。佐川は増加傾向にあるようだがアマゾンの荷物のせいではない。

そして軽貨物ドライバーが法人デリバリープロバイダーの傘下で稼働する場合、契約単価は安く、尚且つ荷量が大手に比べてまだ少ないため、広範囲を走る羽目になる。

アマゾンフレックスも人員が集まると厳格化する流れがあるので、1個当たりの単価がまだ下がる可能性もある。

以上の事から軽貨物ドライバーとしてはあまり美味しくない宅配の未来が垣間見える。

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